中央省庁が障害者雇用を水増していた問題が、官公庁に拡大している。財務省や経産省などの7省だけでなく、都道府県でも10県に達している。障害者雇用促進法は、障害者の雇用の均等な機会及び待遇の確保と職業生活において自立することが出来るための措置を講ずることによって、障害者の職業の安定を図ることを目的としている。雇用率は、国・地方公共団体に2.5%、民間企業には2.2%以上とされている。障害者雇用推進者を選任し、毎年厚労大臣に報告することを義務付けている。しかも、民間企業に対しては、法定雇用率を達成している事業主に対して障害者雇用調整金を支給し、達成していない事業主から障害者雇用納付金を徴収するというアメとムチを使い分けている。ところが、官公庁に対しては、アメとムチが課されていない。ただ厚労省へ雇用者数を報告するだけ。民間企業は経営と障害者雇用の両立を図らなければならないが、官公庁は税金で飯を食っているだけなのに障害者を雇用しない。しない理由が分からない。しかも雇用数をチョロまかす。障害者を率先的に雇用すべき官公庁が、障害者の雇用機会を奪っている。厚労省は徹底的に究明すべきだ。いや、厚労省もさほど信用は置けない。罰則を課すか、オンブズマン制度を導入するしか道は無さそうだ。困ったものだと思う。
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