第100回高校野球大会は、大阪桐蔭が金足農高を13対2で下し幕を閉じた。大阪桐蔭は見事に春夏連覇を果たした。元々強いとはいえ、想像を絶するプレッシャーを克服して優勝したことに敬意を表したい。一方吉田投手を擁する金足農高の活躍には目を見張るものがあった。金足農高はユニークだ。大会を通じてナイン以外の補欠選手を使わなかった。特に吉田投手は秋田大会も一人で投げ切り、甲子園でも1回戦からの6試合で計881球を投げ切った。吉田投手の球筋を秋田県の高校野球強化プロジェクトが分析している。吉田投手のストレートはホップする。横に曲がらず上に伸びる。打者から見ると、通常の直球よりも2~3個伸びる感じだという。そのホップ度はプロ選手を上回るというから、高校生に打てる球ではない。しかし、その豪速球を5試合連続で投げていたのだから、自分は決勝の対大阪桐蔭戦ではヘバリが来るものと思っていた。案の定来た。その結果が2-13だと思う。公立高校には十分な野球部員が集まらない。少数精鋭で臨むしかないという状況も理解出来る。問題は、金足農高への評価だ。評価は、評価する人の立場によって違ってくる。我々一般庶民は金足農高の活躍に感動する。吉田投手の功績を褒め称える。でも、高野連会長の立場は違うはず。高校野球を如何に継続的に発展・育成させるかが務めだ。その八田高野連会長が閉会式で「吉田投手を他の選手が盛り立て全員が一丸となる姿は高校野球のお手本です」と評した。違う。全く違う。吉田投手はこの過酷な連投で、今後の選手生命を絶たれるかもしれない。逸材を育てるのではなく、逸材を葬り去ってしまうのが時代遅れの高野連だ。
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