無借金経営の優等生だった大塚家具が落日を迎えている。一代で大塚家具を築き上げた父と、ニュービジネスモデルへの変更を目指す娘が経営権を巡って繰り広げられたバトルが3年前。高級路線の継続を志向する父が負け、ニトリに毛の生えた中級路線を目指す娘が勝った。父は社外に放出されたが匠大塚を設立し高級路線を継続。一方娘の思惑は外れ赤字経営が続いている。現預金は、3年前の115億円から18億円まで減少。有価証券も切り売りを続け、71億円から27億円にまで減った。まるでタコが己の足を食べて食い繋いでいるのと全く同じ。大塚家具の身売り交渉が進んでいる。何故落日を迎えてしまったのだろう。理由は色々ある。高級家具そのものの需要が減少している。売れ行き好調の安いニトリに較べ中級品は中途半端過ぎる。高級という看板を外してしまったから上客からは見限られ、ニトリ志向の一般客は見向きもしない。父娘喧嘩がブランドイメージを大幅に悪化させた。もし客が今の大塚家具の家具を買えば、友人たちから「何で」という白い目で見られてしまう。諸悪の根源は、派手な父娘喧嘩にあったと思う。意見が対立しても、父と娘が手を合わせ高級路線の生き残り策を模索すれば、これほどまでの経営悪化には陥らなかったに違いない。被害者は顧客ではない。従業員こそ真の被害者だ。罪深い父娘喧嘩だと思う。
コメントをお書きください