スターバックスがプラスチック製の使い捨てストローの使用を全廃すると発表したように、世界レベルで微細なプラスチックごみによる環境汚染への懸念が高まっている。特にプラスチック廃棄物が海洋に流出し、海洋生態系を脅かすことが問題視されている。現在も、世界全体で1年間に800万トンものプラスチック廃棄物が海洋に流れ込んでいるとみられているというから驚きだ。独の研究プロジェクトによると、その9割がわずか10の河川から流れ込んでいるという。中国の長江、黄河、海河、珠江、ロシアとの国境のアムール川、東南アジアのメコン川、インドのインダス川とガンジス川、アフリカのナイル川とニジェール川とのこと。研究リーダーは「これらの河川から排出量を半減させるだけでも、海洋汚染の軽減に大きな効果をもたらす。そのための具体的実行と啓発活動が不可欠」と指摘している。シアトル市では飲食店に対してプラスチック製のストローや容器などの消費者への提供を禁じる条例を定めた。欧州委員会ではEU加盟国に対して、プラスチック製レジ袋の消費量を2019年までに2010年比で8割削減するよう求めている。ケニヤやルワンダでは、すでに、レジ袋を禁じる法律が施行されている。インドでも法を定め国をあげて取り組み始めた。残念ながら、日本ではレジ袋を規制する法律すらも存在しない。民間のスーパーが自主的にレジ袋に課金したり、エコバック利用者にはレジ袋代を減額したりする削減努力に頼っているだけだ。海洋王国の日本が、海洋汚染防止の先進国になるのは果たしていつなのだろうか。
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