政府が新たなエネルギー基本計画を閣議決定した。骨子は、プルトニウムを削減し、再生可能エネルギーの主力電源化を目指し、石炭火力を止め、高性能な蓄電池を開発するというもの。総花的で何を重点的に取り組んでいくのかが曖昧だ。プルトニウムの削減は、米国が核不拡散の観点から求めているので仕方なく取り上げたのだろう。でも、プルトニウム利用の本命だった高速増殖炉の廃炉が決まっており、再処理工場の稼働の見通しも立たないのだから、プルトニウム削減は絵に描いた餅といえる。再生可能エネルギーは2030年に22~24%とする従来の目標を維持し、更に2050年には主力電源化するとしているが、目標を先延ばししただけのように映る。国際社会から脱炭素化を求められているが、石炭火力のフェードアウトでお茶を濁そうとしている。高性能な蓄電池開発は、再生可能エネルギー主力電源化のアリバイ作りのような付け足しにも見える。総花的な基本計画の裏には、原発再稼働をゴリゴリ進めようという魂胆が透けて見える。いつになったら、福島原発事故の被害の大きさを認識し、悔い改めるのだろうかと思わさせるエネルギー基本計画だと思う。
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