昨年3月に道路交通法が改正された。主な改正点は、準中型運転免許の新設と高齢運転者対策の推進の二つ。問題は準中型運転免許の新設だ。準中型免許とは、普通免許と中型免許の間に新設された、車両総重量7.5トン未満で、最大積載量が4.5トン未満の自動車まで運転できる免許のこと。簡単に言うと、普通自動車から2トントラックまでを運転出来るということ。政府の広報は良い点ばかりを宣伝する。これまでは、車両総重量11トン未満までのトラックを運転するには中型免許が必要で、取得要件は、満20歳以上で2年以上の普通免許保有が必要だったが、準中型免許は、運転経験を問わず18歳以上であれば総重量7.5トンまでの自動車を運転することが出来る。準中型免許で運転できるトラックは、宅配便やコンビニの配送、建設や土木などの資材運送をはじめ、幅広い分野で利用されていると。良い事ずくめだ。ところが、落とし穴があった。消火活動に使う殆んどのポンプ車が、改正後に普通免許を取得した消防員には運転が出来ないのだ。消防車製造の国内大手は「モリタ」。モリタによると、この重量制限内でポンプ車に水槽を付けるのは技術的に難しいという。水槽無しだとホースを消火栓につないで水を引く必要があり、水槽付きのポンプ車より初動が遅れる危険性があるという。でも、もっと大きな問題は全国的な消防団員の減少だ。60年前に較べ人数は半減している。それに今回の道路交通法改正が追い打ちをかけている。消防法の特例は出来ないのかと思うのだが。
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