鉄道の直通運転が増加している。東京駅が始発だった東海道線は、今や宇都宮線・高崎線・常磐線とも接続し、熱海から宇都宮まで繋がっている。確かに東京上野ラインが出来て、例えば松戸から八つ橋の藤沢に通勤する人にとっては、上野と東京の乗り換えが無くなるから相当便利になったはずだ。私鉄も地下鉄もJRも相互乗り入れを推進している。一見便利に見える。だが、一度一カ所でも支障が生じると、全面的な運行障害をきたすことになる。極めて脆い基盤の上に作られている。謂わば現代版砂上の楼閣とでも言えそうだ。一方で始発電車が無くなり、困る人もいる。必ず着席したいと願う人は多い。着席を望むには個人個人にそれなりの訳がある。直通化はそういう諸事情を全て切り捨てている。謂わば弱者切り捨ての論理の上に構築されている。直通化は弱者に優しくないシステムになっている。いま東海道線の東京駅始発は早朝と深夜にしか無い。せめて昼間でも1時間に2本程度の始発を入れれば、弱者にも優しいシステムに変身するのだが。
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