今年の1月に英国のメイ首相が新たに「孤独担当大臣」のポストを新設した。日本でも高齢化、独居老人、孤独死が問題になっているが、内閣の中に孤独問題を担当する大臣ポストを新設するという発想はユニークだ。英国の人口は6600万人だが、孤独を感じている人が900万人以上もいるという。何と国民の1割以上の人が孤独に苛まれているのだ。孤独の実態を調査した委員会の試算では、英国経済に与える孤独の影響は、年間約5兆円にも上るという。この政策は、極右過激派に殺害された労働党のジョー・コックス党首の遺志をメイ首相が引き継いだもの。孤独に困っている人のために総合的な政策を打つとのこと。一方、日本の担当大臣作りは華やかだ。第2次安倍内閣が発足した以降でも、規制改革、地方分権改革、国家戦略特別区域、地方創生、原子力損害賠償支援機構、原子力損害賠償・廃炉等支援機構、マイナンバー制度、クールジャパン戦略、知的財産戦略、海洋政策、拉致問題と11も作られた。だが、担当大臣が多ければ多いほど良いというものでもない。寧ろ多ければ多いほど中身は薄くなる。安倍内閣の担当大臣は殆ど実績を上げていないから、国民に対する目眩ましと受け取られても仕方あるまい。
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