安倍政権が経済界に3%賃上げを要求し、経済界はその見返りに裁量労働制の拡大を求めたのは周知の事実だ。だが、大元となるデータの改ざんが発覚し野党及び世間からの反撃に遭い、安倍は法案貫徹の姿勢を一夜にして撤回した。働き方改革法案から裁量労働制拡大が切り離され先送りされた。日本の労働生産性は諸外国に較べ低い。生産性向上のため裁量労働制拡大が法案化されたが、何処に問題があるのだろう。日経は「生産性向上が遠のいた」との記事で、裁量労働制拡大が如何に生産性を向上させるかを良いこと尽くめで書いている。確かに、裁量労働制拡大が上手く機能すれば生産性は上がるはずだ。自分も職種を限れば裁量労働制拡大には賛成だ。だが、この法案には大きな欠陥がある。制度の悪用を防止する対策が抜け落ちている。もし、この法案が原案通りに成立すれば、日本全国で悪用が広がり、ブラック企業が蔓延ることになるはずだ。日経と言えども、経済界の肩を持てば良いというものではない。制度の裏側まで考察し、欠陥の修正を指摘・助言し、法案の成立を後押しすることによって、日本の生産性向上に寄与すべきものだと思う。今の日経は、経済界の単なる御用新聞に過ぎないと思う。
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