警察庁は昨年の全国の交通事故死者数が過去最小を記録したと発表した。統計をとり始めた1949年は3790人、ピークが1970年の1万6765人、2016年が3694人だ。一時1万人台が続いたが、東名事故の被害者家族の必死の訴えで行政と世論が動かされ、道交法が相次ぎ改正された。一昔前は多少の酒酔い運転が横行していたが、今は殆どいなくなった。運転もおとなしくなってきた。問題は高齢者だ。交通事故死者数のうち、65歳以上が6年連続で5割を超えている。その半分が歩行中の死亡事故だという。運転サイドと歩行サイドの両面からの対策が必要だ。免許更新時の高齢者講習の内容をもっと充実すれば効果は出る。認知症検査も有効だ。自動ブレーキも良いだろう。だが、歩行サイドの対策が貧弱過ぎる。夜間に反射材を着用する程度の対策しか無く、あとは気をつけなさいと喚起するだけだ。信号機や横断歩道や路側帯などを高齢者対応に改善すべきだと思う。政府は2020年までに2500人以下にする目標を掲げている。でも、2500人以下という目標は中途半端だ。目標をゼロにすれば、見方が変わり強力で実効的な対策が出てくるはずだ。徹底的な決断と実行こそが、最大の成果をもたらすものだ。
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