どうやら地質年代の年表の一部が、日本に因んだ名称に生れ変わりそうだ。その名前は「チバニアン」。ラテン語で「千葉時代」という意味だとか。イタリアもイオニア海の近くにある2地層「イオニアン」を申請していたが、国際地質科学連合の作業部会で千葉県養老渓谷の「チバニアン」に内定した。その地層が観測・研究をしやすいことが決め手になった。来年にも正式に認証されることになるようだ。地球の磁場を示すN極とS極は過去360万年の間に計11回、逆転したと考えられている。この地層はその最後の逆転を示す証拠とされる77万年前~12万6000年前を代表する地層とのこと。46億年の地球の歴史は、当時の生態系や気候変動などを基に115の地質時代に区分されている。ネアンデルタール人が生きていた新生代・第四紀・更新世のカラブリアンと後期との間が「チバニアン」と命名されることになる。「チバニアン」という名前が生まれるに至った経緯は、1920年代に地磁気の逆転現象が発見されたことに遡る。その発見者は当時の京都帝国大学の教授とのこと。それがきっかけとなり多くの日本人研究者が研究を進めたようだ。確か自分の記憶では、養老渓谷の逆転地層を発見したのは元高校教師だった。定年後の研究活動が実を結んだようだ。こうして見てくると、地磁気の逆転現象の発見も、養老渓谷の逆転地層の発見も日本人だ。「チバニアン」が研究のしやすさだけでなく、これらの要素も含めて日本が選ばれたような気がしてきた。
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