米国では、銅像撤去の可否で世論が二分しているようだ。ことの発端はシャーロッツビル事件。白人至上主義者と人種差別反対者が衝突し死者が出た事件に対し、トランプが「双方が悪い」と発言し火に油を注いだ。一方は南北戦争の南軍リーダーを人種差別や奴隷制度の象徴とみなし、南軍リー将軍の銅像撤去を主張する人種差別反対者。もう一方は銅像撤去に反対する白人至上主義者。白人至上主義のトランプは「リー将軍の銅像を撤去するのなら、奴隷を抱えていたワシントン大統領の銅像も撤去するのか」と反撃。一方ニューヨークではセントラル・パークの近くにあるコロンブス像の撤去が検討されている。撤去理由は、コロンブスが先住民を虐殺したからとのこと。米国には人種差別が存在し続けている。だがトランプ出現以前には、歴史的人物の銅像撤去という運動などは無かった。銅像は過去の偉業を讃えるもので、反面的な解釈が優先されることは無かった。一体銅像は何のために建立されたのだろうか。偉業に対する賞賛であるが、見方によっては戒めの反面もある。清濁合わせ飲んでこそ、銅像の存在価値がある。因みに、リー将軍は南軍であったが、自身は奴隷制度に反対だった。人種差別派がリー将軍の銅像撤去を願うのは天に唾を吐く行為と同じだ。コロンブスにしても、もし彼がアメリカ大陸を発見していなければ、今の大陸には先住民しか存在せず、白人も有色人種もいないかもしれない。自分たちの系譜を否定しているようなものだ。トランプを筆頭に多くの米国人は、自国の歴史を知らなさ過ぎる。まずは事実を見つめることだ。国としての文化レベルが低いと思う。
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