世界的にテニスが脚光を浴びているが、プロテニスの世界は過酷だ。ランクが上位の選手はハードスケジュールを強いられ、下位選手は賞金の少なさに困窮生活を余儀なくされている。前年度のランキング上位30位以内の選手には出場義務化されている大会がある。グランドスラムの4大会、マスターズ1000は9大会の内8大会、500シリーズは13大会中4大会。但し、五輪とデビスカップは、500シリーズ相当として大会数に数えられるが、ランキングのポイントには加算されない。例年、ツアーは暑い1月の豪州と中東から始まり、2月は欧州、北米、南米と渡り、3月は米国のマスターズ、4月からはクレーコートの欧州で締めくくりは全仏オープン、6~7月は芝コートとなりウィンブルドン、8月後半からハードコートに移り全米オープンが待ち構えている。その後はアジア、欧州の室内コートとなり、ベスト8に残れば、11月のツアー・ファイナルが待っている。これ程密に詰まったスケジュールを熟せる訳がない。事実、全米オープンには怪我による有力選手の欠場が目白押しだ。バブリンカ、ジョコビッチ、ラオニッチそして錦織も。フェデラーもマレーもナダルも少し前まで欠場していた。誰が見ても極めて異常だと思う。でも、日本の解説者から「過酷な状況を改善すべき」という声は聞こえてこない。世界的な影響力は殆ど無いのに、何を遠慮しているのだろうか不思議に思う。ところが、あの悪童マッケンローが「日程を見直すべし」と発言した。アッパレ!よりクオリティの高いプロテニスを楽しむための最大のサジェスチョンだと思う。
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