誰でも自分が最も常識人だと思っている。特に日本人は横並び傾向が強いから、そう思う。だが、外人から見ると日本人は異様なほど世界の常識からかけ離れているようだ。REUTERSのコラム「経済学者の鼻を折る法則破りの日本」が面白い。以下はその要約。19世紀の専門家は、繁栄が可能なのはプロテスタントの文化だけであると確信していた。だが日本でキリスト教は普及しなかったが、明治維新後と第2次世界大戦後に急速な経済発展を成し遂げた。急速な成長は、貿易慣習や、暴力的混乱を伴う社会革命、豊かな天然資源などによるものだが、日本には該当しない。軍事力強化が常に工業化の主要目標になるのに日本でそうではない。グローバリゼーションには必然的に膨大な移民流入が伴うのに日本には殆ど移民がいない。現代経済を支える世界的な潮流は女性労働であるのに日本企業の上級幹部に占める女性の割合は極めて少ない。ノーベル賞経済学者フリードマンは、マネーサプライが機械的に価格水準を決定すると提唱したが、バズーカ砲でも日本はインフレにならない。確かに世界の常識とはかけ離れているのかもしれない。このライターは「日本といえども、財務的な価値を経済の現実から永久に切り離しておくことは出来ない」と結論付けている。でも自分の意見は違う。ライターが結論前に述べている「経済学は定量化出来ず確固たる結論が得られない厄介な学問だ。世界中どこでも人間の性質もテクノロジーも似ているが、豊かさを得たり失うありかたは国によってバラバラだ」が結論だと思う。経済学も国民性も実体があるようで実体が無いものだと確信した。
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