我が家から近いJRの駅周辺には新しい小規模アパートが乱立し始めている。国内の空き家は800万戸以上もあるのに、よくもまー、建てるものだと思う。新しいアパートを見る度に、相続税対策なのだろうと思っていた。2年前に相続税の非課税枠が引き下げられ、かつ日銀の量的緩和策による金利の低さだ。相続税対策としては理解出来るが、それにしては数が多すぎる。何か不思議な感じがしていた。どうやら土地所有者や小金持ちの資産運用の一つであるようだ。その裏には、銀行がいる。異次元緩和で市場に溢れたお金の貸し先に困った銀行が、アパート経営の投資話を持ちかけている。対象は、現役時代にそれなりの財産を築いた団塊の世代の老人たち。年金だけの生活では辛い。何もしなければ、最後は財産の大半は相続税として消えてしまう。だからこそアパート経営なのですと持ちかける。入居需要が充分ある地域であれば経営として成り立つが、需要の少ない所では悲惨だ。目論見通りに家賃が入らなければローンを返せない。即不良債権に繋がっていく。こんな実態が増えているようだ。そこでアパートローンに危機感を抱いた金融庁が不良債権化を懸念して、監視を強化し始めたとのこと。ところが、金融庁の危機感は一般庶民には伝わってこない。銀行に遠慮していては被害者が増えるばかりだ。果たして金融庁は誰の味方なのだろう。
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