バージニア州で起きた白人至上主義者らと反対派の衝突に対するトランプとオバマの対応が対照的だ。トランプは当初コメントを避けたが、避けきれず「双方に非がある」と発言。その発言が批判の火を点けた。マケインが言うように「憎しみや偏見に立ち向かうアメリカ人と、人種差別主義者の間に道徳的な同等性はない」と思うのが一般的な米国人の常識だ。でも、厳然と人種差別が存在しているのが米国の現実だ。トランプは白人至上主義を明確に非難しなかった。だから白人至上主義者だと見下され当然非難を受けることになった。これを機に、トランプの助言機関「米製造業評議会」のメンバーが続々と辞任し始めた。心底人種差別に反対の人もいたろうし、経営に不利益と判断した人もいたに違いない。いずれにしても、米大統領が人種差別を助長する発言をするとは、嘆かわしい限りだと思う。一方オバマは、故マンデラ元南アフリカ大統領の自伝から引用し、ツイッターに「誰も生まれながらに、肌の色や生い立ち、宗教のために他人を憎まない」と投稿。これが、ツイッター史上最多270万の支持を集めることになった。トランプとオバマの対比が鮮明になるほど、米国の人種差別は解消に一歩前進するかもしれない。
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