先週末、黒田日銀総裁が記者会見を行い「物価目標の達成時期を更に1年先送りする」と発表した。黒田が総裁に就いたのは2013年3月だから、もう4年半になる。デフレ脱却のため2年後に物価目標2%達成を掲げ、それには大胆な金融緩和バズーカ砲だと華々しく登場した。自分は金融経済政策に疎いから、政策の良し悪しは分からないが、結果は判断出来る。黒田はこの4年半の間に達成時期を6回も先送りした。しかも物価目標は未だに0%だ。誰から見ても落第としか言い様がない。しかも会見での言い訳が変だ。黒田は「個人消費の回復や雇用の逼迫で物価が上昇する条件が整いつつあるにもかかわらず物価上昇率が0%台に低迷したままなのは、企業や家計に巣くうデフレ心理だ」と分析している。もっともらしく聞こえるが、ちょっと待てよ。黒田の元々の目標はデフレ退治だった。であるのに4年半後の会見で、デフレ心理を退治出来ないから物価目標2%が達成出来ないと言っている。言い訳が言い訳になっていない。金融バズーカではデフレを退治出来なかったと言うべきだったと思う。だが、不思議なことに、政府からもマスコミからも専門家からも不満の声は上がってこない。元々目標設定と解決方法に間違いがあったのではないのだろうか。
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