欧州連合からの英国が脱退するBrexitが決まってから、ようやく欧州と英国の交渉会合が始まった。期間は2年間、実質1年半と極めて短い。6月に顔合わせの初会合があり、今回の2回目から本格的な協議に入ることになると思っていた。ところが、実態は違うようだ。欧州側は、在英EU市民の権利保護や英国に対するEU離脱清算金を討議する積もりで待ち構えていた。会議に臨む欧州側は机上に分厚い資料を置いてやる気満々。ところが、英国側は、何と手ぶらで会議に臨み、交渉代表は僅か数時間で英国に帰ってしまったとのこと。Brexitについて、欧州と英国の取り組み方の差が如実に表れている光景だと思う。欧州から見れば、英国が出て行くことの損失に徹底的に焦点を当てる。英国が出て行くことが、欧州側に不利にならないように万全を尽くす。当然な行為だ。だから、準備する書類の山は高くなる。一方、Brexitを意志表明した英国は、欧州離脱によるメリットしか考えていない。英国内でデメリットは未消化のまま。極端に言うと、英国民の誰一人もデメリットを想定していない。良くもまー国民投票でBrexitに賛成したものだと思う。しかも、その後に英国議会はBrexitを否決するチャンスはあった。でも、していない。さらに、頓珍漢なメイ首相は、読みを外した総選挙に出た。結果は裏腹。双六で言えば「振り出しに戻る」だ。そして、本文の最初に戻る。政治は怖いと思う。その時の流れで如何様にも変る。現状では、メイの負け。一言で言うと「脇が甘い」、その一言に尽きそうだ。
コメントをお書きください