「フォード新小型車、中国で生産」との新聞見出しに、何か違和感を覚えた。大して重要な記事ではないのに何故か心に引っかかかった。暫くしてから合点がいった。トランプがフォードのメキシコ工場建設を批判し、建設撤回を発表したのが今年の初めだった。メキシコで作るはずだった小型車を米国ではなく中国で生産し米国に輸入するという。僅か半年で様変わりだ。トランプが乱発した大統領令の影響は大きい。国境調整税の導入が暗礁に乗り上げ米国内生産回帰も鳴りを潜めた。フォードは米国内ではなく中国に工場を建設することで1千億円以上の節約になるという。しかも製造した自動車は中国内で販売するのだから、中国に工場を作ることは必然だ。テスラのCEOは大統領の助言組織を辞任し、中国に工場を作る検討をしている。同じ助言組織のウォルマートのCEOはパリ協定離脱を公然と批判している。高度な技能を持つ外国人労働者を対象としたビザの審査を厳格化したため、今後産業の米となるIT・人工知能関係の技術者不足に陥り、今後の経済成長に影を落としている。ロシアゲート疑惑にしても、トランプ政権は内部で何が起きているのか分からない。説明責任は果たさないが、仲間内の利権には目敏い。トランプ政権と安倍政権は悪いところが実に良く似ている。
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