日大が認知症の兆候を簡易に高精度で判定する手法を開発したとのこと。健康診断で実施する血液検査のデータのみを使って9割を超す高い確率で推定出来るという。これまで専門的には問診や画像診断などが必要だが、簡易的には長谷川式簡易知能評価スケールがよく使われている。本人の年齢や日時の確認とか、簡単な計算や記憶能力とかを確認する、例のテストだ。30点満点で20点以下の場合、認知症を疑うことになる。でも、本人の精神状態や知能そのものや場の雰囲気で結果が少し左右され判定結果に曖昧さが残る欠点がある。あくまで大雑把な簡易テストだ。その点、日大方式は科学的で曖昧さを排除し、かつ健診で血液検査を受ければ分かるという優れ物だ。新手法は人工知能の深層学習によって、たんぱく質など血液の成分と、認知症の進み具合の関連を分析。その結果を新たな受診者の血液のデータと突き合わせて判定するとのこと。現在「こうすれば認知症にならない」という絶対的な方法は無い。最近の研究で「どうすれば認知症になりにくいか」ということが分かりつつある。だからこそ、早期に把握出来れば、予防に向けた生活習慣の見直しなどに早く取り組めるメリットが出てくる。団塊の世代が65歳を超えた今、高齢化は加速している。日大方式は今後認知症対策の強力な武器になるかもしれない。
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