片手落ちの日経

日経朝刊のトップ記事「太陽光 宴のあと」の見出しに、当然と思ったが、記事を読んでがっかりした。産業用の太陽光発電の総出力は約7,500万キロワット。その内、稼働済みが3,000で、未稼働が4,500。申請し、または建設したのも含め半分以上が稼働していないとのこと。再生エネルギーを期待するのは難しいとは思っていたが、これ程落ち込んでいるとは思っていなかった。当初の期待に較べ、電力買い取り価格が42円から半額の21円に下がり、送電に繋ぐコストも発電費用と同程度のコストが掛かるのは想定外。しかも、買い取り費用の一部は国民が月700円も負担している。これでは上手くいくはずがない。思い起こせば、太陽光発電は福島原発事故を受けて脚光を浴びた。無理矢理光を当てたのは当時の民主党政権。菅元首相はダボス会議で、出来もしないソーラーパネル1000万戸設置計画をぶち上げ、当時ですら失笑を買った。一方枝野元官房長官は買い取り価格を破格の42円に設定。ドイツの倍の値段だ。太っ腹過ぎた、というよりは無責任過ぎた。売電収入は株や債券に較べ遙かに高利回りとなった。今手を挙げれば、濡れ手に粟の状況だから当然各社が参入した。だが、太陽光発電は昼間しか発電出来ない最大の欠点がある。端から菅も枝野も充分承知していたのは間違いない。でも、がっかりしたのは、この点を記事にしていない日経だ。新聞の使命は事実をありのままに公表することだと思う。日経は、余りにも片手落ち過ぎると思う。