英国がEUに対し正式に離脱を通知した。2年の交渉期間を経て、英国は44年にわたって加盟してきたEUから離脱することになる。昨年6月の国民投票で離脱派が勝利したものの、多くの若者が残留を望んでいたことが分かり、離脱に投票した年寄りたちは若者の気持ちを知っていれば残留を選んだという意見が多かった。しかし投票結果は投票結果だ。その後粛々と離脱のための作業は進んでいた。英国を除くEU加盟27カ国は、欧州統合60年を記念する式典を開き、改めて結束を確認したが、英国に続く離脱希望組は目白押しだ。これから所謂ドイツ合衆国の崩壊が始まるかもしれない。一方英国内も一枚岩ではない。9カ月前の国民投票ではスコットランドが離脱に猛反対していたが、今では北アイルランドもウエールズも反対に回っている。外国企業がロンドンからEUに拠点を移す計画も進んでいる。そのため人材募集も縮小している。ポンド安の恩恵を受けて景気が良かったが、急激な物価上昇で景気の悪化の恐れがある。更に先日の議会襲撃テロで、観光業の先行きが暗くなっている。もし、今の時点で国民投票を行ったら、間違いなく残留派が勝つに違いない。だが、英国は民主主義の国で、かつ頑固な性分だ。メイ首相は残留派だったが、首相に選ばれ離脱を推進している。一度決めたら最後まで突き進む。進み終わったところで、新規な道を探し始めることになるのだろう。その頑固さに国の強さを感じるのは自分だけなのだろうか。
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