財政再建中の夕張市では、医療介護のニューモデルが生まれているとのこと。在宅医療だ。市は10年前に財政再生団体になり、緊縮一辺倒を続けてきた。その結果、市民病院は診療所に変り171床が19床に減少し、若者は流出し市民の半数が65歳以上となってしまった。病院頼りの老人が増えたのに病床数が激減したのは大問題だ。ところが、在宅医療に熱意溢れる医師が診療所にやって来て、患者の自宅やグループホームへの訪問診療を始めた。まずは予防医療で老人の健康管理を徹底。更に医師が訪問診療に来てくれるので、最期まで自宅に踏みとどまる気持ちになり、看取りを受け入れる数が増えているという。夕張は日本の将来を先取りしている。日本人の看取りの場所は病院が80%だが、欧州諸国は50%前後でオランダでは既に30%を下回っているという。先日「痛くない死に方:長尾和宏:ブックマン社」を読んで驚いた。病院で末期を迎えると延命治療を受けることになる。過剰な点滴で咳や痰に苦しめられ苦しみながら死ぬことになる。一方在宅療養で緩和医療を受ければ平穏な最期を迎えることが出来ると言う。所謂、大往生だ。延命治療を拒否するには、頭が正常なときに本人の意思を書き残しておくことが重要とのこと。それをリビングウイルという。自分は30年前に、延命治療に苦しむ父の姿を見てきた。近いうちにリビングウイルを実行しようと思っている。
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