年金積立金管理運用独立行政法人GPIFの累積収益が53兆円に増加し、運用資産が過去最高の144兆円に膨らんだ。年金積立金が増えることは好ましい事ではあるが、果たして今の運用方法で良いのだろうか。2014年の安倍第2次内閣になって、GPIFの運用構成が大幅にリスクの高い株式にシフトされた。日本株にGPIFも日銀も莫大な資金を投入したから株は上がった。所謂官製相場だ。更にトランプの登場で財政拡大の期待が高まり、先進国の株は絶好調。今日現在、GPIFが株運用で最高益をたたき出したのは納得出来る。だが、今の好調がこの先も続くだろうか。株は不安定だ。続く訳がない。国際的な事件が起きれば、たちまち暴落する。大きな事件が無くても上げ下げを繰り返す。2015年度第2四半期のマイナス8兆円赤字を騒いだのは記憶に新しい。GPIFは、余りにも巨額な資金を株につぎ込んでしまった。今後株が下がったからといって資金を引き揚げるのは難しい。巨額な故、資金を引き揚げれば暴落が加速する。もう雁字搦めで身動きが取れない。暴落が始まれば、一挙に累積は収益から損失に様変わりする。そもそも年金積立金をリスクの高い株で50%も運用することが間違っている。順次減らしていくべきだと思う。元大蔵官僚の高橋嘉悦大学教授は、年金は賦課方式だから10兆円程度の運用で賄えるので、それ以上増やしても運用リスクが増えるだけだと忠告している。ごもっともな指摘だと思う。
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