国連の軍縮委員会が、核兵器を法的に禁止する条約の制定交渉を来年から開始する決議案を賛成多数で採択した。核兵器禁止条約を決議したのではなく、禁止条約を検討することを決議しただけだが。賛成は123ヶ国、反対は38ヶ国、棄権が16ヶ国。核保有国が反対票を投じたことは理解は出来る。特権そのものだから。でも、理解に苦しむ賛否が3件あった。核保有国の中国が棄権したこと。核開発に邁進する北朝鮮が反対票を入れたこと。そして、最大の不可解な投票は、唯一の被爆国である日本が反対票を投じたことだ。従来から日本は禁止条約に反対している。理由は、米国の核の傘に守られていると信じているからだろう。でも、会議ではそうは言わない。反対票を投じた大使は「核軍縮は核保有国と非保有国の総意の下で進めるべきだと主張してきたが、意思決定のあり方に反映されなかった」と訳の解らない反対理由を述べている。言い方を変えると「少数意見の禁止条約反対派の主張が通らないので、反対する」ということになる。更に言いかえると「民主的な多数決は間違っているので反対する」ということになる。さて、日本は核禁止そのものに賛成しているのだろうか、反対しているのだろうか。理解不能。
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