京都は良く行く所だ。定番の観光地は避け、穴場巡りをすることにした。副題に「生粋の京都人が教えるひそかな愉しみ」と付いた「京都の路地裏:柏井壽:幻冬舎新書」が面白い。参考になる。ひっそりと佇む神社仏閣やそこでしか買えない名店や路地裏細道の美味しい店の幾つかを巡ることにした。寺は阿弥陀寺。門前に「織田信長公本廟」の石碑が建っている。織田信長とその子信忠の墓の横には、信長に殉じた蘭丸、力丸、坊丸や家来の墓が並び建っている。信長の遺体は見つかっていないが、如何にもこここそが真の御廟だと思わせる寺だ。その近くには幸神社(さいのかみのやしろ)がある。気付かず通り過ぎてしまうほど小さな社だ。出雲阿国が巫女をしていたという伝説があり歌舞伎の発祥とも関わっている。また京都御所の鬼門除けとして重要な役割を担っている。極めて簡素でひっそりとはしているが、奥深い歴史を持っている。そのギャップが歴史を肌で感じさせてくれる。その近くには、そこでしか買えない漬物の店野呂本店がある。名物の青てっぽうと幾つかの漬物を買った。帰宅後食するのが楽しみだ。和の文具店「裏具」を探した。地図を見てもなかなか見つからない。やっと小さな看板を見つけ、迷路のような細い軒下を進んでいく先にあった。センスの良い文具店で、まさに京都の裏路地を実感させてくれた。夕食は「燕」。京都駅八条東口近くの小路にある小さな和食店。出て来る料理の全てが絶品だった。京都に行く時は必ず寄るべき店になった。この本のお蔭で、京都巡りが増々面白くなってきた。
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