昨日はヒトの人工腎臓である透析に触れたが、腎臓の病は猫にもあるらしい。東大の研究グループが、猫に腎不全が多い原因を解明し英科学誌に発表した。猫の死因のトップは腎不全とされている。だが、その原因は不明で治療法も確立されていなかった。腎臓には、血液中の老廃物を尿として排出する役割がある。腎不全とはこの機能が働かない状態のこと。腎臓は血液から尿を抜き出すフィルターのようなものだが、死んだ細胞がはがれ、ゴミとなってフィルターを塞いでしまうのが急性腎不全だ。ヒトの場合は、血液中にあるAIMというたんぱく質が活性化しゴミを排除して腎機能を改善させる。だが猫の場合は急性腎不全になってもAIMが働かないことを発見したとのこと。現在AIMの働きを利用した薬の開発が進められている。勿論ヒトにも効くことが期待されている。猫は5~6歳で急性腎不全になることが多く、そのうち5~7割が改善せずに、慢性腎不全のため15歳程度で死ぬという。この薬が出来ると猫の寿命は大幅に伸び、人様並みの老齢化社会を迎えることになるかもしれない。
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