先月安倍首相が国会で所信表明演説を行った。「一億総活躍、地方創生、農政新時代、そして地球儀を俯瞰する外交。安倍内閣は未来への挑戦を続けます」と威勢は良かった。一億総活躍を達成するには「誰もがその能力を存分に発揮できる社会を創る」と言う。その通りだと思う。更に「その大きな鍵は、働き方改革だ」と言う。全くその通り。だが、実態が伴わない。毎年税制改革で配偶者控除の廃止が取り上げられる。今年こそ改革が進むのかと思っていたが、例年通り先送りしてしまった。現在はどの業界でも人手不足が深刻化している。配偶者控除が無くなり、子育て支援と介護の拡充が進めば、女性が男性と対等に働き始めるのは確実だ。配偶者控除廃止は一億総活躍達成のためのキーファクターでもある。そのキーファクターを先送りしてしまった。その瞬間に所信表明演説が極めて薄っぺらなものに見えてきた。所信表明とは小学生の作文程度の価値しかないようだ。「舌の根も乾かぬうち」の良き凡例とも言えそうだ。
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