世界で初めて実用化されたガン免疫治療薬オプジーボが話題を集めている。技術面では、京大の研究チームが開発し小野薬品が製造販売を始めた。ガン細胞により働き方が弱っている免疫細胞を再び活発な状態に戻す治療薬で、夢のガン治療薬と注目されている。将来ノーベル賞を受賞するのは間違いないと目されている。メラノーマと肺ガンに極めて有効で、その他のガンについても治験が進められている。だが、副作用が良く分かっていない。有効性や副作用は研究が進展すれば明らかになるだろうが、問題は価格だ。日本の薬価は100mg当り73万円。肺ガン患者に1年間使用すると3500万円もする。このまま適用すると日本の保険制度が崩壊してしまう恐れがある。そこで財務省が厚労省の2018年薬価改定を待たずに改定するよう言い出した。財務省は半値にしろと言う。半値とは大胆な発言だと思ったが、米国では100mg当り30万円で英国では何と14万円なのだ。世間相場は半値よりも安いのだ。しかも英国では14万円よりも安くなるよう検討しているという。小野薬品は濡れ手に粟の状況にある。価格に対し厚労省の対応は鈍いし、メーカーに大甘過ぎる。一方で、技術的には、厚労省は日本のガン研究者の総力を結集させて全てのガンに対する「夢のガン治療薬」を実現すべきだと思う。
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