DIAMONDonlineの「遺伝子検査は占い並み」という記事が目に留まった。女優のアンジーが遺伝子検査で乳がん発症の危険性があることが分かり、予防のため乳腺切除したことで遺伝子検査が一躍脚光を浴びるようになった。最近はDeNAやDHCなどの有名企業が遺伝子検査事業に参入している。遺伝子を調べれば、病気も性格も分かるという触れ込みだ。ところが、それは当たるも八卦当たらぬも八卦の占い並みのまやかしだと言う。遺伝子検査には、遺伝学的検査とDTC(Direct-To-Consumer)遺伝子検査がある。遺伝学的検査は、単一の遺伝子異常が決定論的に挙動する疾患が対象となる。アンジーの場合は、遺伝性乳がん卵巣がんとの相関性が極めて高い単一遺伝子BRCA1が変異していて、将来的に9割近い確率で発がんすることが分かっていた。だからアンジー本人の強い要望で手術が行われたとのこと。一方DTC遺伝子検査は、膨大な数の遺伝子の中から数個を調べる検査。数多くの遺伝子が互いに作用しながら病気や体質を発現するので、僅かの数を調べても確定的な事は断言出来ない。例えば、身長に関する遺伝子は約700個ある。DTC遺伝子検査では、そのうちの1個しか調べない。だから身長が高いの低いのと言うことは無理というもの。「遺伝子検査は占い並み」と言われる所以だ。しかし、今は占い並みの遺伝子検査ではあるが、解析が進み情報が蓄積すれば、将来は立派な予防医学になるかもしれない。実現するかは、占っても今は分からない。
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