今年末で任期が切れる潘基文国連事務総長の後任候補の公聴会が始まった。事務総長は国連安全保障理事会の推薦を受けて国連総会によって任命されることになっている。だが、安全保障理事会は事実上の密室だ。今年から透明性を確保するため、加盟国の意見を極力反映させる形で後任者を選ぶことになったようだ。少しは前進だ。ところが、その先には難関がある。候補が絞り込まれても拒否権を持つ常任理事国が1か国でも反対すれば自動的に落選してしまうルールだ。相変わらず強力な威力を持つ拒否権が、国連を歪め機能不全に陥らせる足枷になっている。事務総長は世界各地から持ち回りで選出するという慣例がある。今回の出番は東欧のようだ。一方国連史上初の女性候補選出を目指す動きもあるという。安全保障理事会の15か国の支持数で順位が決まる。8人が立候補し初回の投票で、1位はポルトガル元首相のグテレス氏、2位はスロベニアのトゥルク前大統領、3位は女性でブルガリアのボコバ・ユネスコ事務局長とのこと。第7代のアナン氏は賄賂塗れだったし、第8代の潘氏は大した仕事もせずに公平さも欠けていた。是非とも次期国連総長には、悪い流れを断ち切ってほしいものだと思う。
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