ウィンブルドンでのラオニッチの活躍が目覚ましい。第6シードのラオニッチが、第3シードのフェデラーを下し、初めてグランドスラムの決勝に進出した。決勝戦は今日の夜中だ。どうなることやら結果が楽しみだ。昨年までは錦織の方が先に行っていたが、既に抜かれたのかもしれない。何故ラオニッチは今年急に腕を上げたのだろう。ラオニッチはコーチ陣を強化した。元世界1位のカルロス・モヤと、若き日のジョコビッチを指導した名コーチのリカルド・ピアッチと、更に芝シーズン限定で悪童と呼ばれたあのマッケンローの3人。テニスは教える人が多ければ良いというものではない。コーチの教えには夫々長所があるが、短所もある。皆プロフェッショナルだから、教えは絶対的だ。3人のコーチが、それぞれ自説に固持すれば、教え子はパニックに陥ってしまうことになる。ところが、ラオニッチはパニックに陥るどころか、上手に3人のコーチの良い所取りをして腕を上げたようだ。3人コーチ体制が機能するのかという質問に対し、ラオニッチはこう答えたという。「コーチはアドバイスをくれる存在ではあるが、何が自分にとって最も必要かを判断していくのが僕の仕事だ。ラオニッチのテニスのCEOはこの僕だ」と。モヤがネットにつくよう指示し、マッケンローがコート上でのポジショニングを教えた事をラオニッチ自身が納得し選択した事が功を奏したようだ。ただ単に上手い人から習っても、言われた通りやっているだけでは、何時まで経っても教えてくれた人を超えることは不可能だ。ラオニッチが強くなった秘訣は、自身で選択し身に付けた自信に基づくものに違いない。
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