3Dと言えば3次元のことだ。3次元コンピュータグラフィックス、3D立体映像、3D音響、3D映画など沢山ある。我が家でもひと昔前に3Dテレビを購入した。もっとも、専用眼鏡が煩わしく殆んど観たことはないが。だが、数多ある3D技術の中で突出しているのは3Dプリンターのようだ。自分が化学会社に就職したのが1971年。紫外線で硬化する感光性樹脂の研究をしたいと思い就職した。入社して10年経った頃、感光性樹脂による3Dが脚光を浴び始めた。当時は金型を作るための補助的なもので精度も悪く、とても役に立つものとは思われなかったと記憶している。ところが、どうだ。今の3Dプリンターは中東では何と家を作った。嘘かと思ったが、ニュース画像で見ると実際に住めそうな気配だ。でも、一番驚いたのは、たったの100ミクロンのカメラ。1ミクロンは1ミリメールの1000分の1だから、0.1mmということだ。塩粒ほどの大きさだ。3つのレンズを備えたカメラを3Dプリンターで作製し、直径が毛髪2本分の光ファイバーの先端に取り付けられた。設計から、製作、試験までにわずか数時間しかかからないとのこと。製造も極めて簡単だ。医療分野では極小のカメラが求められている。従来の方法では技術的な限界があり、不可能な領域だった。この技術により、将来的には注射針に取り付けて臓器や脳の内部を撮影することも可能になるだろう。工業分野でも非破壊検査法として有力な手段になるに違いない。また保安や機密漏えいの面でも様変わりするかもしれない。まさに3Dプリンターがパラダイムシフトを起こすかもしれない。
コメントをお書きください