一票の格差は、国会の決議により是正することは可能だ。しかし、決議するのは選挙で選ばれた議員本人だから、大方が満足する是正案を作るのが難しいのは当たり前だ。だから衆院議長の諮問機関である衆院選挙制度調査会に答申を依頼した。そしてアダムズ方式が提案されて、格差は1.5倍程度に収まるはずであった。だが、自民が拒否したため衆院選挙制度調査会の努力も徒労に終わろうとしている。公平な第三者機関が改革案を作成しても、決めるのは議員たちだから拒否されてしまった。では、この議員たちが動かざるを得ないような仕組みが出来ないだろうかと考えてみた。選挙の一票は国民の権利だが、納税は国民の義務だ。権利と義務は表裏一体の関係にある。一票に格差があるということは、権利の一部が毀損されているという事だ。権利の一部が履行出来ないのであれば、国民の義務も一部やらなくても良いと考えてもよい。と言う事は、税金もその分ディスカウントされるべきものだ。例えば、一票の格差に応じて、所得税を格差分補正する。一票の価値が低い所には格差分減額するとか、反対に、一票の価値の高い所に格差分の倍率をかける。そうすれば、国民は必死に格差を無くそうと声をあげる。議員たちは選挙民の声を聞かざるを得ないから、動かざるを得なくなる。なかなか良いシステムだと思う。だが、この案にはただ一つ欠点がある。その法案を国会で成立させるには議員たちの挙手が必要なことだ。衆院選挙制度調査会の答申と同様に法案作成以前にボツにされてしまう。さて、より良い案はないものだろうか。
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