全国的に公園でのボール遊びを解禁する方向で検討が進んでいるようだ。自分が子供だった60年前は、放課後や休日の学校は遊び場だった。近所の友達とカクレンボや悪漢探偵や野球をして夕暮れ近くまで遊んだものだ。そして自分の子供が小学生になった30年前も同じ。子供を連れて校庭に行き、カケッコやキャッチボールを楽しんだ。小学校高学年になった長男はサッカーも上手かったが、野球も上手かった。夕方になると家の隣にある中学校の校庭で、長男の野球練習に付き合わされた。当時長男はダイビングキャッチをものにしようと取り組んでいたので、シートノックを頼まれた。ところが、自分は生憎の運動オンチ。長男が望む所にボールが飛ばない。シートノックを何回か失敗するうちに長男が怒り出した。「お父さんはワザとやっている」と怒って泣き出した長男の言葉が懐かしい。当時は公園や校庭を使って、間違いなく親子の会話が行われていた。だが、今はどうだ。黙って校庭に入ろうものなら、犯罪者紛いの扱いをされてしまう。公園でもボール遊びはご法度。砂場は柵が張り巡らされてネットが張ってある。子供が遊ぶには必ず親の手助けが必要だ。かくして校庭や公園は禁止禁止の立札で張り巡らされてしまった。今の子供にとって、校庭や公園は単なる空地だ。決して遊び場ではない。だが、その単なる空地を遊び場に変えようとする動きがある。過保護な大人がやっと大人に成長し、己の過ちに気付き出したという証なのかもしれない。校庭や公園を子供の遊びに開放することは大賛成だ。大人は責任逃れとは決裂して、子供の成長を見守る責務があると思う。
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