1月末の大阪国際女子マラソンで、リオ五輪選考基準の2時間22分30秒をクリヤーしかつ日本人トップで優勝した福士選手が3月の名古屋ウイメンズにも出場するという。どうしてそんな無理をするのだろうかと不思議に思った。選考基準をクリヤーしたので監督も福士選手も当然内定が出るものと喜んでいた。ところが内定は出なかった。日本陸連の国内大会の選考基準は国内3レースの3位以内を対象として、2時間22分30秒をクリヤーした選手の最大1名を優先的に選出する、ということになっているようだ。陸連側から見れば、まだ3月に名古屋があるので福士選手に内定を出す訳にはいかない。選手から見れば、選考基準をクリヤーしたのだから内定が貰えると思っていた。結局選手側が選考基準を良く理解していなかった為、糠喜びに終わったということなのだが、選考方法自体がどうもおかしいように思う。選考対象レースは11月のさいたま国際、1月の大阪国際、3月の名古屋ウイメンズの3つ。マラソンは体力を消耗するから通常は続けて出場することはしない。チャンスを数で稼ぐのであれば、11月と3月に出場すべきだ。一発勝負に賭けるのであれば目標タイムが分かっている最後の3月に出場すべきだ。1月は福士選手のように3月の結果次第になるから出場すべきではない。元々3レースから選考すること自体が間違っている。福士選手は身体が壊れようとも3月に出場するという。だがそのレースで基準タイムをクリヤーする選手が数人出た場合、福士選手はその中の1番にならなければ出場権を獲得出来ない。連戦でクリヤーしかつ1番になるのは不可能に近い。もし誰も基準タイムをクリヤー出来なければ、福士選手が出場権を獲得出来るが、身体には大きなダメージが残る。従って五輪本番での上位入賞は期待が持てないことになる。福士選手にとって、3月の名古屋ウイメンズに出場する意味は全くない。陸連の選考方法が、優秀な選手を潰す手助けをしているように思えてならない。1レースだけの一発で決めることこそ、フェアーでクリヤーで選手を大切にする選考方法だと思う。
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