ローマ法王とロシア正教会総主教が歴史的な会談を行い、1000年ぶりにカトリック教会と東方正教会が和解したとのこと。永いこと教義の解釈で対立していたが、それを容認したためではないようだ。ローマ法王の後ろにはEUが控え、ロシア正教会総主教にはロシアがいる。極めて政治的背景を背負ってはいるが、和解することに越したことはない。ローマ法王フランシスコは精力的にカトリック以外の宗教トップと会談を行って相互理解を深めようとしている。ユダヤ教会を訪れたり、イスラム教のイランの大統領とも面会している。世界政治が硬直化している現在に、極めて意味のある行動だと思う。宗教が再び表舞台に出て来る時代を迎えようとしているのかもしれない。キリスト教にしてもイスラム教にしてもユダヤ教にしても、みな一神教だ。一神教は自分達の宗教だけが正しく、他は邪教と見做す。だから常に摩擦が起き易い。その点、日本は多神教であらゆる所に神様がおいでになる。何と「便所の神様」だっているし歌にもなっている。多神教だから、キリスト教もイスラム教も受け入れる。度量が広く平和的だ。むかし若い頃、日本人が外国に行った時に「あなたの宗教は何」と訊かれて「無宗教」と答えると、野蛮人とか人間以下と蔑まされたと聞いた事がある。だが今や日本の多神教こそが平和の宗教であり、一神教がやっと平和に目覚めつつあるようだ。人間も同じ。いつも自分だけが正しいという訳ではない。
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