「親子鷹」と言えば、子母澤寛の小説が有名だ。勝海舟と父の波瀾万丈な人生を描いている。辞書を引くと「親子鷹とは、一つの目標に向かって努力する父と息子をいう語」とある。先日、北大路欣也が親子2代で旭日小綬章を受賞した。北大路欣也の映画デビュー作が「親子鷹」だったのは何かの因縁なのだろう。まさに父親の市川右太衛門と北大路欣也は現代の親子鷹に違いない。ところが、ごく最近種類の違う鷹が現れマスコミを賑わしているようだ。かつて誠備グループという投機集団を率いて「兜町の風雲児」と呼ばれた相場師の加藤あきらが息子の大阪大学金融ファイナンス専攻助教と共に金融商品取引法違反容疑の疑いで東京地検特捜部により逮捕された。また、かつて「物言う株主」として名を馳せた旧村上ファンドの村上元代表は相場操縦をした疑いで、娘の投資ファンド代表と共に証券取引等監視委員会の強制捜査を受けている。加藤親子も村上親子も「親子鷹」なのかもしれない。少なくとも、辞書の説明には合致している。いや、ハイリスクハイリターンの投資をする海外の投資家や投資基金を、俗にハゲタカファンドと呼ぶから、彼らは「親子(禿)鷹」という新種なのかもしれない。
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