何が対象でも、結果論で言えば先が分からなかった事への対処が如何にも正しいように後から言うことが出来る。しかし、結果を見なくても、明らかに戦術ミスだと言えるケースもある。昨日の国際野球大会プレミア12準決勝戦での日本敗退の原因だ。7回まで大谷投手が力投し完全試合に近い内容で韓国を圧倒していた。韓国選手は大谷に対して成す術がなかったのに、大谷をたったの85球で則本に替えてしまった。好投の大谷を替える必要性は全くなかった。もし打たれるようになったら替えれば良かった。これが第1のミス。則本は8回を150kmの剛速球で3者凡退に打ち取ったが、9回になるとチェンジアップやフォークに球種を切り替えた。この遅いボールを狙い打ちされ3連打を許した。9回も剛速球で攻めるべきだった。なにしろ韓国は則本の剛速球も打てなかったのだから。多分キャッチャーの嶋選手が弱気になり配球を替えたのだろう。監督は剛速球に戻す指示を出すべきだった。これが第2のミス。1点を返されノーアウト満塁で則本を諦め松井投手に。松井は球威はあるがコントロールは今一。押し出しの十字架を背負いながらの登板は、20歳の松井には酷な話だ。押し出しで1点を献上した。則本を諦めたのが第3のミス。松井に替わった増井投手はフォークをイ・デホに打たれ逆転された。結局8回まで剛速球で相手をねじ伏せていたのに、9回に遅い球を狙い打ちされた。剛速球ばかり見ていた韓国選手にとっては、遅い球は止まって見えたに違いない。相手を圧倒する強いチームが負けてしまう原因は、最後の最後で自らリズムを狂わせる行為をしてしまう事だ。結果を見るまでもなく、明らかに断言出来る。
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