鳥取県で水揚げされる松葉ガニが今シーズンから「五輝星」のブランド名で売り出すことになり、初競りで何とカニ1杯に過去最高の70万円の値が付いたという。まさに北海道夕張メロンの250万円に匹敵するブランド力だ。凄いとは思ったが、何故カニを1杯と数えるかの方に興味がいった。英語ならばone、twoで済むものを、日本語だとモノによって単位が変わる。例えば、うさぎは1羽、握り寿司は1貫、たんすは1棹という具合。調べて見ると、カニは生きていると1匹と数え、生きていないと1杯と数えるとのこと。ちなみに市場では1尾と数えるようだ。何故カニを1杯と数えるかというと、昔はカニが沢山獲れて、たらいに入れて取引をしたため、1杯、2杯と数えるようになったとか。ロシアの密漁によるタラバガニの取引が出来なくなったため、タラバガニは品薄状態で高値が続いている。今は、カニと言えば高級品だ。たらい1杯のカニはどれ程の値が付くのだろうか、想像も出来ない。今の1尾のカニを1杯と数えることに、相当なギャップを感じる。今様に直せば、1尾である1杯は1匹様とでも数えた方がしっくりきそうだ。時代と共に数え方も変わるかもしれない。いや、1杯、1貫、1棹という数え方は、単に数を数えるだけでなく、同時に歴史や謂われも表している。まさに日本語の奥の深さの面白さだ。末永く大事にしたいものだと思う。
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