2000億円もの利益詐称をしながら、トップの首の挿げ替えだけで事を収めようとしている。問題企業の東芝だが、幕引きを図っているのは誰だかは分からない。第三者委員会は3代の歴代社長による組織的な不正と断定した。だが会計監査を担当した監査法人は一体何を監査していたのだろうか。また社外取締役が過半数を占める監査委員会の社外取締役たちは只飯を食っていただけなのだろうか。第三者委員会は、犯人役のトップらを断定したものの、検察役である監査法人や監査委員会が何故機能しなかったのかには触れていない。不思議なことに御咎めなしだ。更に日本取引所グループのCEOは、東芝株を監理銘柄にせずに一段緩い特設注意市場銘柄に指定すると温情的だ。極めて異常な事後処理が進んでいる。それらは基本的に日本の経済活動の大問題なので経団連当りが本腰を入れて取り組むべき問題だとは思うが、安倍ヨイショの榊原体制では改善を望めそうもない。一方トップに利益詐称を強制された事業部長レベルは可哀そうだ。逆立ちしても絞り出せない利益上乗せを強制されて、心ある人は東芝を去ったに違いない。去らずとも胃潰瘍で入院するはめになっているに違いない。そして現場を知る部下たちは事業部長を突き上げたに違いない。そして働く気力を失ったに違いない。あと1か月もすると誰しも東芝問題など忘れてしまう。そして無傷の人は平穏に、傷ついた人には過酷な人生が待ち受けている。やるせない世の中だ。
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