財政再建策の賛否を問うギリシャ国民投票の結果は反対61%、賛成39%で、反対を訴えたチプラス首相が勝利した。テレビ画像にはOXIの文字が度々映っていた。始めはOが賛成、Xが反対、Iが棄権かと思ったが、OXIはNOでNAIがYESという意味らしい。期せずしてギリシャ語を2つ覚えることになった。気になるのは63%という投票率だ。国が右に進むか左に行くかという決断なのに何と37%もの人が棄権してしまったのだ。如何なる意思表示なのか自分には全く理解出来ない。自分にはもう一つ理解出来ないことがある。この国民投票は何の為に行ったかが分からない。国民が財政再建策に反対だということは分かったが、それが今後の行動にどう結び付くのかが分からない。EUの指導者もチプラス首相もギリシャ国民も、今後の展開を予測出来ないでいる。投票前のイメージでは、財政再建策とユーロ離脱とEU離脱について、国民の意思を明確にすることだと思っていた。最近「ドイツ帝国が世界を破滅させる:エマニュエル・トッド:文春新書」を読んだ。ユーロはドルと違い、ユーロ圏の国々の間で格差を生む欠陥システムだという。南欧諸国の富がドイツに吸い上げられるだけだという。ギリシャがユーロ圏に残留すれば、当面はソフトランディングにはなるが2~3年後にはまた同じ事が起きるはずだ。もしギリシャがユーロを離脱すれば、当面は大きな苦しみを味わうが行く行くは自立した国に生まれ変わると思う。国民投票はユーロ残留/離脱を問うべきだったと思う。
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