自分が係長だった頃に入社してきた新入社員が定年を迎える時代になってきた。今日は昔の研究仲間が集まり嘗ての新入社員の定年を祝う飲み会があった。希土類元素を研究していたグループだが、このグループは他の研究グループとは全く違う特長がある。通常研究は5年程度で完了してグループは解散し、メンバーたちは違うテーマの研究グループに移っていく。グループにいる時は飲み会やスポーツや旅行などを頻繁に行い仲間意識を盛り上げる。だが一度解散してしまうとグループとしての絆も切れてしまうのが一般的だ。しかし、このグループは違う。グループが解散してから既に30年が経過した。でも数年に1度は何かにこじつけて飲み会を開く。多くのメンバーが集まる。その飲み会が積み重なり今日に至っている。仲間意識が極めて高いのだ。何故なのだろうかと考えてみた。仕事だけのドライな関係ではなかった。仕事を一生懸命したが遊びも一所懸命だった。仕事が終わると皆で飲み屋に行きその後は我が家で大貧民というトランプ遊びで盛り上がった。お腹を壊した寮生を我が家に呼びおかゆを食べさせたこともある。時には仕事よりも運動会の準備を優先させたこともあった。入社早々の若者が多かったので、初めての仲間という意識が強く残ったのかもしれない。今になって考えると、多分家族的雰囲気が醸成したことが最大の要因だろうと思う。今ではそのメンバーが研究所長や工場長になっている。一番若かったメンバーは今や地方の総務課長として支社の顔になって活躍している。懐かしくて嬉しくて楽しい定年祝賀会だった。
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