世界人口が既に70億人を突破し、2050年には90億人に達すると予測されている。地球の人口キャパシティは70億人が限界と言われているから、地球規模での最大の課題は食糧の確保にある。東京大学発のバイオテクノロジー企業であるユーグレナの事業が順調に軌道に乗りつつあるようだ。世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術を石垣島で確立した。ミドリムシとは、鞭毛運動をする動物の性質と葉緑体で光合成を行う植物の性質とを併せ持ち、虫ではなく藻に近い単細胞生物だ。ヒトの必要栄養素を効率的に摂取できる食品でもあり、化粧品、バイオ燃料などの用途にも広がりをみせている優れもので、世界の食糧問題を解決する一つの方法と期待されている。ところが、世界には食糧問題を解決するためにミドリムシ以外にも多くの研究がなされている。未来の食糧源として昆虫が注目されている。フィンランドのベンチャー企業エント・キューブはコオロギの大量培養技術を確立したようだ。コオロギに含まれるプロテインは牛肉とほぼ同じで、動物と較べても栄養分に遜色はない。飼育コストが安い、飼育時間も短い、宗教的な制約もないなどのメリットもある。問題はその姿だ。日本でもイナゴの佃煮を食べるのは長野くらい。もしカミサンがコオロギの佃煮を見たら卒倒してしまうかもしれない。粉に変えることがベストだろう。あと10年もすると、スーパーの棚には小麦粉の隣にコオロギ粉が陳列されているかもしれない。
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