千葉の野田市がコウノトリを保護するため、150m以内に近づくことを禁止する条例を可決したという。同時に絶滅の恐れがある県のレッドデータブックに掲載する動植物も、採取や捕獲を禁止したとのこと。この条例は結構なことだが、一方国の保護政策がきっかけで大繁殖し、深刻な被害をもたらしている動物もいる。鹿だ。鹿が田畑の穀物や野菜を食べ尽くす農業の大敵であることは有名だ。野菜が無ければ樹木の皮や新芽を食べて枯らしてしまうし、草や枯葉も食べて表土を無くしてしまう。それだけでなくマダニやヤマビルを拡散させヒトに被害を与えている。国は政策を改め鹿を10年後までに半減させることにした。だが、これは目標値を設定しただけで、効果は上がっていない。鹿は繁殖力が高く捕獲目標が追いつかない。更に捕獲を行う猟友会などの人材不足で捕獲目標を達成出来ないのが現状だ。何故これほど酷い被害が出るまで国は放っておいたのかと憤りを感じる。もっと早く手を打っていれば、ヒトや自然への被害も少ないし、鹿も枯葉を食べるほどのひもじい思いをせずに済んだはずだ。政策や条例は、一度決めると突っ走り止められなくなるのが日本の政治だ。レッドデータブックに掲載の動植物が野田市に被害を及ぼさないことを願いたいものだ。
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