今月末が期限となるギリシア再支援の合意交渉がクライマックスを迎えている。債権者のトロイカ(IMF、ECB、ユーロ同盟国)がOKを出せば、ギリシアは債務不履行とユーロ離脱は免れるが、歳入増のため消費税増税、脱税恩赦、預金引き出し制限を実施することになる。もしNOであれば、ユーロ離脱となりギリシアに続く離脱国が現れユーロ体制が崩壊していくかもしれない。それにしてもギリシアのチプラス首相の交渉力は強いものだと感心する。もしギリシアの首相が日本人気質であれば、即トロイカに屈服してしまうに違いない。なにしろ日本は、借金が返せなければ相手に申し訳ないと思い自殺してしまう人が出るような国なのだから。チプラス首相の強さは、欧米人特有のものかもしれないが、その強さを増強させている話がある。チプラス首相がロシアを訪問しプーチン大統領に会い、ともに同盟国であるべきだと合意した。場合によっては、ギリシアはNATOからロシア側に寝返るぞというサインだ。プーチンはギリシアを更に心強くさせる話をしたようだ。プーチンは「100万円借りた場合は借りた者の問題だが、100億円借りたら困るのは貸した方だ」と言い、心配せずに頑張れとチプラス首相を励ましたとのこと。確かにギリシアの負債は巨額だ。巨額過ぎて潰せないのも事実。チプラス首相は寝技も上手そうだが、巨額な負債という強い味方も付けた。どうやら落としどころが見えてきたようだ。しかし、長い目で見ると、ギリシアにとってOK/NOのどちらの道が幸せに繋がるのかは誰も分からない。
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