他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案が迷走している。そもそも憲法審査会に招集された憲法学者3名全員が「集団的自衛権は違憲」と述べたことが発端だ。自民は船田元が人選を誤らなければこんな混乱は無かったはずと切歯扼腕している。しかし憲法学者の9割が違憲だと表明しているのが現実だから、船田の間違いでもないようだ。自分も集団的自衛権は間違いなく違憲だと思う。では集団的自衛権は不要なのかと問われれば、必要かもとも思っている。しかし、安倍内閣のやり方は尋常ではない。カラスは白いと言わせて、改憲無しに集団的自衛権を成立させようとしている。こんな無理強いが通る訳がない。国会をいくら延長しようとも成立は為し得ないだろう。本来そんな努力をするよりは、正当に改憲を推し進めた方が本道であるし近道だとも思う。衆院平和安全法制特別委員会では、こんな議論が繰り広げられている。民主の寺田議員が集団的自衛権と憲法の関係を例え「腐った味噌汁から一杯だけを取り出しても腐っている」と問いただしたところ、内閣法制局長官は「フグは肝を外せば食べられる」と言ったとか。民主は何と国民の命を守ることを腐った味噌汁に例えた。民主自体が腐っている。このディベートだけを評価すれば、長官の勝ち。ただフグを捌くにはフグ調理師の免許がいる。しかしこの免許は国家資格ではないので、各都道府県が個別に定めていて、その圏内でしか通用しない。安倍の主張はフグ調理師の免許も無いのに、フグは美味いから自ら捌いて食べようと言っているようなものだ。そのうちテトロドトキシンの毒にあたり、痺れて動けなくなり死に到る。フグ調理師という改憲免許は絶対必要だ。
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