トヨタ新株が波紋を呼んでいる。トヨタ新株は異例ずくめだ。購入してから5年間は売却出来ないが、その後発行額でトヨタが買い戻すという。元本割れなしで、配当利回り1.5%が保証されている。国債利回り0.1%に較べれば遥かに有利であることは間違いない。しかも議決権付きだ。まさに「サルでも分かるお買い得」という内容だ。トヨタの狙いは、安定株主の確保にあるようだ。今まで安定株主だった金融機関が、株価下落で資本不足に陥るリスクを避けるために保有株の売却を加速している背景がある。ところが、海外の主な株主は「日本国内の株主にのみ恩恵があり、海外の株主への配慮が不十分だ」と反対している。国内でも、実質的に損をしない株主が経営をチェック出来るのかとか、経営側に都合の良い株主をつくる目的ではないかと疑念の声もあるようだ。新型株発行には、今月16日の株主総会で株主の3分の2以上の賛成が必要だ。だがトヨタ株の3割は外国人株主。賛否の行方は分からない。もし提案が通れば、日本中の金融機関や個人が殺到するに間違いない。そして日本ではトヨタ新株を買えなかった多くの人が一騒動起こしそうな気がしてならない。
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