義母が91歳になったので、カミサンと3人で義母の誕生会をした。我が家は2階建ての二世帯住宅で、1階に義母、2階に我等夫婦が住んでいる。共通するのは中階段だけで、普段は互いに独立した生活を送っている。義母は90歳を超えたが、毎日自力で食事、洗濯、掃除をしている。「身体が動けるうちは、身の回りの世話は本人がした方が気がしっかりしてボケ防止になる」というのがカミサンの母に対する思いやりで、義母の方もマイペースで暮らせることに満足しているようだ。今日は義母の誕生日を祝し、3人で街中の寿司屋で食事をすることにした。その寿司屋は通常の寿司屋ではなく割烹スタイル。味は良いが値段も良い。義母は60年前に当地に引っ越してきた頃の思い出話を始めた。当時からこの店は知っていたが入口の横に蛇屋があり、怖くて一度も入ったことがなかったとのこと。そこで寿司屋の大将が口を挟み「祖父が寿司屋と蛇屋を始めたんです。私は3代目になります。当時は近くに市役所があり、この通りも賑わっていたんですがね」と言う。こんな話がきっかけとなり、義母の昔話が始まった。義母は今でも年の割に丈夫で不自由なとことが一つもない。話が盛り上がるにつれ、義母の顔が増々生き生きとしてきた。食事も美味しく会話も楽しく若返りを兼ねた91歳の誕生会であった。
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