やっと医療被曝抑制のための基準が作られたようだ。日本ではCT検査が盛んだ。国内のCT検査装置は1万台を超え、実施件数は年間4千万件に達し、世界的にも日本が突出している。X線検査の被曝量が1回当り0.06ミリシーベルトであるのに、CT検査は5~30ミリシーベルトと非常に高い。福島原発の作業員の最大被曝量が10ミリシーベルトだから、CT検査の被曝量が如何に高いかが分かる。検査で使う放射線の量は、メーカーが推奨する値を参考にしてそれぞれの医療機関が決めているのでバラバラに使われている。しかも、高い線量を使う程、画像が鮮明になるため、増々高い方へシフトする傾向にある。この度、日本医学放射線学会など12の団体で作る「医療被ばく研究情報ネットワーク」が、検査の精度を落とさない範囲で目安となる基準を設けたとのこと。海外ではCT検査はなるべくしないようにしているらしい。英国の研究では、白血病や脳腫瘍が3倍近くも増えることが分かっている。ガンを見つけるために、ガンを作ってしまっては本末転倒。被曝量を抑えることも大事だが、安易にCT検査をしないルールを決める方が先決だと思うのだが。
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